うさるの厨二病な読書日記

厨二の着ぐるみが、本や漫画、ゲーム、ドラマなどについて好き勝手に語るブログ。

<ドラマ> 「モンタージュ 三億円事件奇譚」の福士蒼汰の演技がひどすぎる。

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6月25日(土)26日(日)の二夜連続で放送された「モンタージュ 三億円事件奇譚」で主演している福士蒼汰の演技について語っています。くそみそに言っていますので、福士蒼汰のファンの方や「モンタージュ」の演技が良かったと思っている方は、読まないことをおススメします。

 

ちなみにドラマ自体は面白かったです。

複雑な話を四時間ドラマにまとめる、ということで脚本は突っ込みどころが満載でしたが、原作がよくできた話なのか、話の骨子は面白かったです。

特に後編は物語も盛り上がりますし、夏木マリさん、唐沢寿明さん、西田敏行さんなどがドラマの中心なので、ワクワクしながら見れます。

問題は幼児のお遊戯会に等しい前編を見る、という拷問をどう乗り切るかです。

前編のハードルが高すぎです(-"-)

 

 

以上を踏まえた上で、読んでくだる方はコチラへ↓↓↓

 

 

 

今までみた中でもトップクラスのひどい演技

自分は、今まで福士蒼汰の演技を見たことがありませんでした。

演技については、あまり良い評判を聞いたことがありませんが、「三億円事件の真相」というストーリーが面白そうだったので、福士蒼汰のことはまったく気にせずに、「話が面白そう」くらいの軽い気持ちで見ることにしました。

……。

……。

開始5分で挫折しそうになる。

 

福士蒼汰って、何で人気があるのでしょうか??

自分も塩顔好きなので好きな系統の顔ですが、同じタイプの顔ならば窪田正孝のほうが四千倍くらいうまいです。

 

というか、今まで生きてきた中で、仮にも「俳優」を名乗る人が、ここまでひどい演技をしているのを見たのは初めてです。

そりゃあ、妻夫木聡と深津絵里が主演した月9ドラマ「スロウダンス」に出ていた、エビちゃんこと蛯原友里だってひどい演技でしたよ。でも、エビちゃんは本業はモデルですし、しかもチョイ役です。

二時間も、主演がこんな演技をしているのを見せられたら、さすがの温厚なワタクシも、血管がキレそうになりますよ。

ふざけているのか????

 

福士蒼汰の演技の何が問題なのか

何が問題って全部なんですけれど、そもそも単発の演技からして、びっくりするくらい下手です。

「演技の上手い下手」について書いた記事で、「その役柄の人格が~」とか「相手との関係性が~~」とか書いていますが、そんな話以前の問題です。

 

saiusaru.hatenablog.com

 

私がこの記事で書かせていただいたのは、例えば、同じ状況で怒るにしても「怒り方も人それぞれ違う」

脚本に「〇〇が怒る」と書いてあるだけでも、うまい役者さんは、その役柄がどういう人格で、その人格でこの状況であればこういう風に怒るのではないか、その役柄の怒り方を演じることによって、そのシーンだけでその役柄の人物がどういう人間なのかということを見ている人間に感じさせることができる、

それが「演技が上手い」ということだ、と話させていただきました。

 

例えばこのドラマ「モンタージュ」であれば、夏木マリ演じる響子が、昔の恋人である竜の骨壺と指輪を見つけるシーン、骨壺の扱い方、指輪の箱の開け方、指輪のはめ方、その動作のひとつひとつで、セリフがなくても、どれだけ響子が竜を愛していたか、長い年月、どれだけ竜のことを想っていたか、それを見ている人に分からせることができる、それがうまい演技だと思います。

 

同じように骨壺を地面から取り上げるにしても、まったく見知らぬ人の骨壺を扱うのと、長年想い続けて生きていることを願っていたのに実は死んでいた恋人の骨壺を取り上げるのとでは、ぜんぜん動作が違うはずなんです。

 

でも、自分が福士蒼汰について言及したいのは、こんな高度なことではないです。

そもそも単発の演技である、ただ怒る、ただ泣く、ただ驚く、ただ威嚇する、これすらも下手です。

役柄を演じる、どうこう以前の問題です。

本当にびっくりしました。なんじゃ、こりゃ。(;゚Д゚)

ナレーションも下手、殴る演技も下手、殴られるのも下手。

ただ、福士蒼汰が覚えたセリフを発声しているだけです。

こんなことって、あるのでしょうか????

 

演技が下手であることの弊害

「演技が下手」であるということは、ただ本人が「うわああ、大根」と嘲笑われれば済む問題ではありません。

その役にはその役の人間関係がありますが、この人間関係が演じられないので、その関係性の相手まで、おかしく見えてきてしまうのです。

 

例えば、福士蒼汰演ずる主人公大和には幼馴染の未来という女の子がいて、大和の父親が死んだあと、七年間一緒に暮らしています。この未来との距離感と、途中から出てきた謎の予備校生夏美との距離感がまったく一緒なのです。

未来との距離感が、「七年間一緒に暮らしてきた、ちょっと気になる幼馴染」には見えません。せいぜい「年に二、三回会う親戚同士」くらいの距離感です。

 

両親が急にいなくなってとり乱している未来を、ちっとも気遣っているように見えません。

「冷静になれよ」というセリフなども「何か言わなきゃいけないから、仕方なく言っている」くらいにしか見えません。

そうすると大和に対して「私を一人にしないでよ」と言っている未来が、勘違いしているアホの子にしか見えませんし、後になって未来が死んだかと思うシーンで泣きながら喋っている大和を見ても、それまでの二人の関係性を積み上げる演技がないので、

「どうしたの? 突然。ああ、脚本にカイテアルノネ~~」

くらいにしか思えないのです。(また、この泣きの演技が下手なんだわ(-"-))

 

未来がしきりに「事件を追っている大和は、昔に比べて生き生きしている」「また、昔の(無気力な)大和に戻らないでよ」と言うのですが、福士蒼汰が演じる大和は、無気力も生き生きしているもない、ずっと同じ棒演技なので、「未来は、妄想ばかりしている頭のおかしい子なんじゃないか」という疑いが頭をもたげてくるのです。

 

特にこういう誰が味方で誰が敵で、誰が犯人か分からないというサスペンスでは、「大和が未来の両親の行方をぜんぜん心配しているように見えないのは、何かの伏線かもしれない」などの疑いも出てくるので、演技が下手という弊害は恋愛ものなどよりもさらに大きいです。

 

好きな女の子の両親で、なおかつ七年間も家においてくれた恩人が行方不明になったのに、ちっとも心を痛めているように見えないのは、おかしい。何かの伏線か?!

 

と思っていたら、ただ単に演技が下手なだけだった。

とかね、本当に脱力します。

いい加減にしてください。

 

共演の方々は何を思っているのだろう・・・。

ネットの感想を見ると、ヒロインの未来を演じていた芳根京子の演技も酷評されていましたが、こちらはそれほど気になりませんでした。

確かに別に上手くありませんが、ヒロインらしく顔は可愛いし、何より一応、演技しようと頑張っていた点に好感を持ちました。

 

そう……どんなに下手な人でも、普通は「演技しようと頑張っている」んですよ。

怒っているシーンでは怒ろうとするし、悲しいシーンでは悲しい顔をしようと頑張っている。

福士蒼汰には、頑張ろうとしている感じすらないんですよね。

今まで色々なドラマや映画を見てきましたが、こんな人は初めてです。

 

最初は余りの下手さに怒りながら見ていたのですが、だんだん「この人、何を考えて演技をしているんだろう??」と怖くなってきました。

遠藤憲一さん演じる関口も怖かったですが、福士蒼汰もだいぶ怖かったです。

 

共演者の方々は、この人を見てどう思っていたんですかね???

「若いし、人気もあるからしゃーないか」くらいに思っていたんでしょうか。

でも、1968年の川崎雄大を演じていた野村周平や慎ちゃんを演じていた三浦貴大は、よかったですよ。

特に三浦貴大が良かったです……、と思ったら、この人三浦友和と山口百恵の息子なんですね。知らなかったです。

 

演技的には、遠藤憲一さん演ずる関口の狂気と悲しみに満ちた生き方が全てをかっさらっていったという印象です。

個人的には話の主題としては、理想に燃えて生きようとした青年・沢田慎之助の挫折と退廃の人生に主軸にあてて物語を展開したほうが、面白かったと思います。

 

親が起こした三億円事件にとらわれていた主人公が、その事件が解決することによって、自分の人生を生きると決意する

というのがメインテーマのようでしたが、脚本と演技力の差のせいで、そのテーマに収斂しきれずに終わってしまった印象です。

 

最後に

 小説や漫画を書くということと違い「演技をする」ということは、物語の一部分になるということなので、それができないと、自分だけではなく周りに甚大な被害を及ぼします。

特に主演の演技が視聴者や観客に伝わらないものだと、その役柄の人格、考えていること、周りとの関係性、伏線、

「セリフでは説明できないこと。説明するわけにはいかないこと」

すべてが伝わらず、他の役者さんや脚本、ひいては物語全体をおかしなものにしてしまいます。

これからも演技をして生きていくのであれば、福士蒼汰にはせめて演技がうまくなる努力だけでもして欲しいです。

 

「若いころは下手だったけれど、年をとったら見違えるようないい役者になった」

という方もたくさんいます。

そういう風になってくれたらな、と思います。

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 (引用元:「ガラスの仮面」美内すずえ 白泉社)

そんな役者になっていたら、喜んでこの言葉を送ります。

福士蒼汰 写真集 『 Blue 』

福士蒼汰 写真集 『 Blue 』